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「蓬州(ほうしゅう)」とは「尾張」の別称。蛙面坊茶町(あめんぼうちゃまち)こと鈴木作助が安永8年(1779)に著した地誌。彼については尾張藩の御徒衆(おかちしゅう)ということ以外わかっておらず、下級武士の一人だったと見られる。 本書は小社が主宰する「古文書に親しむ会」のテキストとして、名古屋市鶴舞中央図書館蔵の『蓬州旧勝録』乾坤二巻を一冊にまとめたもの。これは大正期に出た『名古屋市史』編纂のために書き写された抄本で、城下の部分を抜粋してその様子、特に清須越しの商家について詳しく記されている。 影印本ではあるが、比較的丁寧に書かれていて、読みやすい。本書はまだ活字化されておらず、史料面からも注目に値する。名古屋の成り立ちを知るうえで、手元に置いておきたい一冊と言える。 |
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