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■宗春の肖像

 小社で主宰する「古文書に親しむ会」では蓬左文庫にある『夢の跡』をテキストに、鬼頭勝之先生のご指導で古文書の勉強をしてきた。『夢の跡』は“享保の改革”でぜいたくが取り締まられる中、尾張七代藩主徳川宗春が果敢にも消費拡大策によって国を興そうとした、その夢のような“成果”を懐かしみ振り返ったものだ。

 宗春は芝居を許し、町内の祭りを復活させ、各地に市場を開き、遊郭までも造った。暗い世の中に尾張だけが赤々と輝き、「名古屋の繁栄で興(京)がさめ」とさえ言われたほど。が、将軍吉宗の怒りを買い、当の宗春は蟄居謹慎を命じられてしまう。

 本書では『夢の跡』の原文と翻刻を中心に、華やかな城下の様子を描いた「享元絵巻」(10頁)、享保17年当時の「名古屋図」(14頁)を巻頭に入れた。三カ所に設けられた遊郭――西小路・富士見・葛(かつら)の場所を示す地図とそれらの内部での配置図(8頁)、それに遊郭について書いた『不たつさか津き』(蓬左文庫蔵)にある挿絵を紹介・解説(12頁)している。

 巻末では「宗春の肖像」と題して詳しい解説がなされている。宗春というと史料にも乏しく、通説の域を出ないものが多い。本書によって宗春時代の実像の多くを初めて知ることができる。歴史探索「徳川宗春」資料集(2)。

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