本書の著者はその出生が三河である関係から、徳川氏について強い興味をいだいた。特にその姓中島氏が徳川家臣団の一つであったところから、まず徳川家臣団のうちの中島氏の解明に着手し、続いて他の諸氏にも及ぼうとしてまとめられたものである。

　本書は大きく二部で構成され、三河の中島氏と幡豆小笠原氏の解明に努めている。徳川初期家臣団の研究は今後も解明されるべき重要テーマの一つだ。昭和41年に発行されていたが現在では入手はなはだ困難な状態にあり、今回、著作権継承者中島晃一氏のご協力で復刻出版することになった。